「ない」ことに意味がある
以前にも掲載しました、「光」の写真。光は、「影」があるからこそ 存在を感じられます。
今日は、国際交流ラウンジでの華道教室。今日のご参加者さんは、ドイツからいらっしゃった方。4ヶ月前からラウンジで日本語のお勉強をされています。今日も、学習用のテキストと、小学校の国語の教科書をお持ちになり、英語⇄日本語を確認しながら、お話をされています。
「いけばな」は、以前からご興味があったそうで、とても熱心にお稽古されました。
その時の会話から・・・
「アレンジメントでは、フォーム(スポンジ)を使うから、毎回、1度しか使えない。剣山は、何度でも繰り返し使えるからとてもスマートだと思う。剣山はどこに売っているの?剣山とジャパニーズスタイルの器を手に入れて、家でも楽しみたい」
「ドイツのフラワーアレンジは、FIXされていてぎゅうぎゅう詰め。「いけばな」は、空間があって好き。」
「どんな花の選び方をすれば良いの?いけばならしい花の選び方を知りたい。今度、自分で選んで持ってくるから、それがスマートかどうかアドバイスしてね」
「いけばなは、『ない』ことに意味があるのですね。禅に通じることですね」
ETC///
本当に、「いけばな」に興味を持ってくださり、鋭い観点での感想やご質問をいただき、私の方こそ勉強になりました。
ありがとうございます。出来上がった作品もとっても素敵。おおらかでゆったりとした空間が魅力的でした。(お話に夢中で写真撮り忘れてしまいました・・・残念)1回だけでは物足りなくて、器を変えて、 もう一度チャレンジ。こちらもガラリと雰囲気の違う素敵な作品ができました。
効率的なこと、はっきり明確に分かること、正確であること、一般的で汎用できること、再現性があることを求められることが多い現代社会において、「見えないことにも意味がある」「『何もない』ところが美しい」「自分で想像して(見立てて)空間をみる」という発想にはなかなかたどり着かないのですが、そこを「美しい・スマートだ」と感じるセンスが素敵です。
曖昧さや、さび侘びの世界は、とても「日本的」であるのに、現代日本の中では、あまり重要視されずにもったいないと思う部分ですが、却って欧米文化圏の人たちの方が、魅力を感じているということを実感した一コマでした。
お花の良さを見つけることや、空間を生かすということを、直感的に理解してくださり、何より楽しそうにお花を生けていらしたのが印象的でした。来月もご参加いただけるとこのこと、お会いするのが楽しみです。
いけばなへの探究心と、日本語を一つ一つ確認してすぐに会話に使い自分のものにしていく積極的な姿勢にとっても刺激を受けたお教室でした。お越しくださりありがとうございました。
「いけばな」という文化と技術を伝えられる、英会話力と日本文化の知識、、、まだまだ広く深く学んでいきます。(ここで宣言!)