記憶に刻まれる、香りといけばな

いけばなのお稽古。花と思う存分やり取りをし、自分のためにいける、とっても豊かな時間です。

花と組んず解れつすることもあれば、スススッと滑らかに流れていくこともある。何れにしても、ハサミを置いた時に、両者が心地よくなる。その雰囲気が周りにも溢れてくると、更に幸せ。

ま、なかなかそこに至れないからこそ、お稽古しがいがあるというものです。日々これ精進。お花の声に耳を傾けましょう。

風に帽子が飛ばされてしまったのに、そんなのへいちゃら!とお澄ましをするお嬢様。

 

 

こちらは、ちょっと懐かしい、トラバルーン。
ストローを加えた時の、なんとも言えないシンナーのような匂い。うまく膨らむとなんだか嬉しい。小さい頃の懐かしい思い出です。

バブルの中にいろんなものを詰め込んだら楽しそうだな。

雨上がりの水たまりで遊んだ風景と一緒に、ごった煮状態で生けてみました。

森の香りも、いけばなも。形あるもの、手に触れられるものとして保存したりすることは難しい。同じものを体験したくても、その時々の心身の状態や、花の状態、その場の空気感。再現することは不可能です。

ふっと漂ってくる懐かしい香りや、頭をよぎる、情景。
これは、何年経ってもその人の中でしっかりと記憶されています。

香りや、植物との出会いはきっと、おじいちゃん、おばあちゃんになって、たとえ全部を思い出すことができなくても、幼かった頃、楽しかった時の記憶の断片をふと思い出すきっかけにはなる。

デジタルで保存したり、枯れないお花、合成された香りとして永久に確実に安定したものとして保存されるものもいいけど、そこには「心」に響くものは、薄れちゃうんだよな。

 

なぜなら、もう「記憶しなくて良い」と思った瞬間に、忘れてしまうから。もう2度と会えない、とわかっているものは、きっと無意識に記憶の層に刻み込まれていくに違いない。

そんなことを思った、敬老の日の前日。

明日は敬老の日。毎年、日にちが動いちゃうのも、なんだかな。

 

9月15日である意味は、なんだったのか。諸説あるようなので、秋の夜長に調べてみようかな。

あ、ネット検索したことも、記憶に残りにくいですね、、、

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