建材(廃材)アートプロジェクト

お久しぶりの更新になりました。4月のアスコット丸の内東京での個展から早くも半年が経ち、すっかり季節は秋から冬へ。

個展の後も、通常のお稽古や装花のお仕事、華道展出品の他に、この半年には大きなプロジェクト参画やチャレンジをしておりました。たくさんの出会いや経験をすることができ、だいぶたくましくなったかなと思います。

 

今日は、その中の1つをご報告します。

日建設計 PYNT 様 新素材研究と廃材アート制作展示プロジェクト 

本プロジェクトは、

”新素材研究の一環として研究を進めている廃材や新素材の再利用、エコアップ、循環の仕組みの研究などを進める中で、家具等のプロダクト以外のものづくりとして、廃材を活用したアートの製作を検討することで、新たな価値の創出を目指す。”

という目的のもと、制作協力のお声かけをいただきました。ありがとうございます。

 

常日頃から、個展で使った花材や、近隣のお知り合いからいただいたたくさんの姿形の良い枝、植物を様々な形で作品として手をかけ制作をしてきた私にとって、大きな企業の壮大な事業目的の中に、その素材や経験を生かして新しい価値を共創できることに大きな喜びと、今後の展開、可能性を感じワクワクしながら取り組んでまいりました。

設計現場から出る建材、サンプルの種類の豊富さ、サイズ感にももちろん痺れましたが、取り組む社員の皆様の視点の高さ。長期間にわたる研究、思考のもと、構築、進行されるプロジェクトの実行力。そして、計画を楽しむ柔軟な姿勢とバイタリティにも刺激されながら、共に考え、制作した日々はとても楽しく、出来上がった空間もなかなか良いものに仕上がったのではないかと思います

 

 

そして、今回の展示は、ただ展示しておしまい!ではなく、その展示を見た社員さんたちが、素材から得た新しい発想、新しい展示の仕方から感じた素材の新しい魅力、心を揺さぶられたことで生まれる新しい発想を、タグにして、

展示物に付け足していける仕組み。このことにより、次に繋がる展開が生まれる仕組みが素晴らしいと思います。

 

建築といけばな。

全く違う分野でありながら、

その空間をよりよくする、そこで過ごす人の関係をよりよくする、流れを作り新しい価値を生み出す。

その行動自体を面白がり、変化を厭わない精神。

これはとても近しい価値観なのだと感じました。

 

違いがある、違和感があるからこそ、新しい交流が生まれる。多様な価値観が出会い、自分を尊重するもの同士が、自分と同じように相手を大切にし、向き合い融合し、調和して行く。その気持ちがあれば、

この世の中に蔓延る対立構造、競争がなくなり、豊かな循環が生まれるのではないか、と感じています。

また、今回は、大企業の中に、フリーランスである私を”個”の立場で取り込んでいただきともに活動する機会をいただきました。本当にありがとうございました。

10数年前、”いけばなの良さをビジネスに!”と営業活動していた時には、全く響かず、”花なんて何の役に立つの?お金にならないじゃない”と言われて、涙を飲んだ時期があります。ようやく、空間にいけばながある。植物やアートを意図しておくことで、空間の価値を上げ、より良い人間関係を生み出すことができると気づいていただき始めたことが嬉しいです。まだまだもっとこの良さを広めていきたい。そう思います。

 

今回も、制作途中に、通りがかりの社員さんから”これは、アートですね。即興的な芸術!完成が楽しみです”といった声をかけていただき、魂が震えました。

 

今回のプロジェクトチームの社員さんと記念写真。お疲れ様でした。(一番小さいのが、私です。)

異業種、異世代、男女の違い、国籍など枠組み、線引きが薄くなり、自立した”個”が繋がり合う時代へ。
そんな時代の変化を感じたプロジェクト。たくさんの経験をさせていただきありがとうございました。これからもっと自分の可能性を広げて、新しい価値、面白いことを共創していけるよう、自分を磨いていきたいと思います。

 

そして、制作のお手伝いに来てくれた、生徒さんたち。本当にありがとうございます。

これからもっともっと、外へ発信するお仕事を増やして、いけばな、空間デザインの世界を広げるよう、共に力を合わせて進んでいきましょう。