怒りのパワーからの解放

歌舞伎の演目「釣女」の醜女ちゃん(を演じた息子)。この笑顔を見せられて、怒れる人はまずいないでしょう。笑顔って、最強。

ちなみにお着物は、松竹舞台の方が作ってくださる本物。たまたま新調したときだったので、まっさらなものを着させていただき感謝です。歌舞伎の「赤」「黒」って、本当に美しいです。

先日、久しぶりに息子に対して激怒したところ、翌日、ぎっくり腰のように腰が動かなくなりました。奥歯もなんとなく痛く・・・
怒ると全身に力が入り、特に腰には響きます、、、というところからの今日のお題。

怒りや悔しさって、ものすごいパワーがいるんです。体が元気でないと怒れないし、悔しさをバネに、頑張る。乗り越えて大きな宝を得る、ということもありますね。自分自身、悔しさや理不尽な差別や障害を、怒りのパワーで乗り越え、勝ち取ってきたものもあります。

子育て期間中は、なんでわかってくれないの〜〜〜!っと声をあげて、その怒りに反応してくれる人がいると嬉しくなって、さらにパワーアップする、なんてことも多々ありました。怒りの連鎖って共感を呼ぶし、すごい力を発揮するんです。そこから、課題解決につながったり、新しい制度も生まれることもあるから、悪いことではない。自分自身、そうやって戦う仕事もしてきました。

でも、ちょっと怖いなぁということも、薄々感じてはいました。

怒りのパワーに巻き込まれ、コントロールされてしまう、怖さです。

たくさんの人が、「そうだそうだ!」と肩を怒らせ、拳を振り上げているとその後ろに、それをにんまりして眺めている黒い影を感じてしまうのです。

そんな時に、ちょっといたずら心で、「醜女ちゃん」を一人忍ばせたり、握った拳に「花1輪」を握らせてみたら、面白いなぁ。

不意に現れた笑顔に、思わず吹き出したり、急に花を握らされて、ふと拳が緩むと、思わず隣同士、ふっと心を緩ませることができるんじゃないかな。心が緩んだら、なんで自分たちが「怒りのパワー」にコントロールされてたかって、もしかしたら気付けるかも。

目には目を、怒りには怒りを!

だけ、ではなく、時には目くらましのように笑いや花を仕込ませてみたらどうでしょう。本来の関係者でない人たちは、不意を突かれて、「あれ、そういえばなんで怒っていたんだっけ?」と、我に返るかもしれません。

当事者の怒りの原因になった人も、ひょっとしたら「あぁ、ごめん、自分が悪かった!」と素直になれる・・・かもしれません。

そんな、骨抜きになるようなことを言うな。苦労していない人間にはどうせわからないだろう。

と言うお叱りもあるでしょう。批判してくださって構いません。すみません。頭の中お花畑の苦労知らずのお嬢様です。

苦労や痛み・・・とは、主観的なもので、人と比べてどちらが辛いとか、強いとか判断するものではありません。どちらでもよい。

それよりも自分は今、苦労していない。幸せだなぁ・・・と思えることが、ただ ありがたいことです。

歯を食いしばって頑張る人の中に、ポツンポツン、とそういう類のニンゲンが混ざっていると、怒りのパワーを解放できるのではないかと思ってます。デモ隊が、看板ではなくて花を持って歩いていたら、巨大な花畑ができそうだ。

笑顔と花には、そういう力があります。怒りに巻き込まれたときに、花を活けると、すうっと怒りが消えていきます。

1日一花で、心をリセット。

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