草月流でビジネスコミュニケーションが磨かれる理由

ビジネスマンや組織のリーダーにも「いけばな」をお勧めしています。なぜなら、ビジネスは日々取捨選択の連続だからです。

大切に、そして惜しまない

草月流の創始者、勅使河原蒼風さんの書かれた『草月五十則』の中に、「花は大切にすること、花は惜しまぬこと(第23則)」という言葉があります。

いただいた花の命、一つ一つの花や枝を生かし切るためには、無駄な枝、無意味なことを捨てることが大切です。

お料理でも同じことが言えますね。どんなに生きの良い、綺麗なお魚でも、そのままの姿で丸ごといただくことはありません。鱗や内臓などの必要ない部分を予め処理、処分します。

そして、素材にあった手を加えてこそ、美味しいお料理に生まれ変わることができます。

 

選択の理由と意志

大切な花材をまずはじっくり観察し、どこを生かすか。最大限その良さを発揮するために、不要なものを捨てるかを、潔く選び取る。もったいない、かわいそう、こちらも良いから迷ってしまう。

その時には、「なぜ、自分はそう捉えるか?」の基準や理由も大切にします。

その瞬間瞬間は、直感で選んで決めることも多いのですが、その選択を間違った時には、「なぜ間違えたか?次回はどうしたいか?」にも心を留めるようにします。(特にご指導する時には、ご本人に「なぜ、この枝を選んだのか」を伺い、「どこを捨てると良さが引き立つか?」も合わせてお伝えします。)

 

迷い抜くことで磨かれる

業務をする上でも、リーダーの方や責任を取る立場の方は、 日々取捨選択の連続かと思います。

自分の中に迷いがある時には、いける花にも現れます。花に触れて、ご自分の心をみつめ、枝を選び取ることで、眼の前の曇がすっと晴れることもあります。(時にはとことん、迷い抜くこともあります)

いろいろな場面で、「いけばな」を、ぜひご活用ください。