心地よい場を演出するいけばな
演者さんを引き立てます
ディスプレイや会場装花のご依頼をいただいた時は、会の趣旨や、お客様の年代や職業などを伺い、出演者・登壇者の方のお写真を見たり作品を聴いたりしながら構想を練ります。できれば会場の下見もして、空気感や光の色も見ておきたいのですが、下見ができない時は写真を参考にします。
チャリティーコンサートの会場装花のご依頼をいただきました。懐かしいみなさんの集まる場所でのアットホームな会でしたので、心が温かくなるような春のイメージでいけました。
演者さんが気持ちよくパフォーマンスでき、お客様との一体感のあるコンサートとなるよう、心を込めて生けていきます。
この時は、出演者の方お花の色味と同じ色の衣装で登場され、鳥肌が立ちました。(衣装の打ち合わせはしてません)ライブが始まると、素敵な歌声と会場のお客様の温かい気持ちが共鳴し、お花もさらに柔らかい光を浴びてとても心地よい空間となりました。
こちらは、あるシンポジウムの会場装花。登壇者が「森の案内人」と呼ばれる方だったので、
森をイメージしていけました。花だけの時より、お隣にご本人が登場されたら、さらにそれらしい雰囲気となりました。花と人が一体となって、森の風景が浮かびました。
「いけばな」も「人間関係」も、大切なことは同じ
花と人と場と光。他者と自分と周りにある空間・・・いろんな要素が組み合わさって、その時その瞬間でしか成り立たない作品となり、人間関係が出来上がります。
演者さんだけ、主だったメンバーだけが主人公となるのではなく、お客様も、支える側のメンバーも必要不可欠な存在なのです。
周到な事前準備をすることはもちろん大事ですが、その時その瞬間、そこに居合わせた人々の心が調和することで、その場の雰囲気が変化すると感じています。
自分を押し通すのでも、押し殺すのでもなく、調和する。立場や意見が違っても、必ずしも善悪や正誤の判断をする必要もないのかなと思います。
いろんなことを表現できる多様性や緩やかさがあって良い。そこに花があることで、戦わずとも共存できる空気が生まれるのでは。
「想いの伝わる・想いを伝えるいけばな」で、そのお手伝いができれば幸いです。