分解して再構築する
虫みたいな、不思議なビジュアル。
20年ほど前、初めて華展に出品させていただきました。根っこ付きのランを、桑の枝にぶら下げ
る。以上!というもの。若かったからできた勢いのある作品です。
全体像は、こちら。インスタグラムで加工して、ちょっと遊んでみました。全く違う表情を発見できました。
草月流のカリキュラムの中に、「分解して再構築する」というテーマがあります。
花材をよく観察し、花や枝を文字通り分解し、元の形に戻すのではなく全く新しい造形をします。
花をいじめてかわいそう・・・と思われるかもしれませんね。でも、頂いた命をしっかり見極め、表面的な見方ではわからないところまで研究し、そこから見つけ出した自分だけの感性で新たな命を創り出すという学びです。
完全変態の昆虫みたいですね。カブトムシの幼虫は、白い芋虫?のような形です。成長し、ある時期になると、蛹となります。その中で一旦、体を液体にし自らの力で成虫の形に形成し直して、時期が来ると殻を破ってでてきます。
そういうことです。
私たち人間も、成長の過程でいろんなことを経験し、学び、知識を身につけ、成長していきます。その過程で今まで身につけたことをそのまま表現することもあるかもしれません。が、今までの経験を覆す何かが起きて、一旦、自分の中の常識や枠組みをぶち壊し、新たに自分の人生を再構築する場面に出会うこともあることでしょう。壊したものを見つめ直すのもしんどいし、目を背け、逃げ出したい時もあります。
でも、そこを自分の力でクリアすると、ググッと世界が広がります。カブトムシが自分の力で殻を破って外の世界に飛び出すみたいですね。
とはいえ、自分自身、いっぱい失敗しました。その当時は、「この世の終わりだ!」と思いこみ、悪い方にしか考えられなかった時期もあります。今だから、そんなこともあったよね、と思えますが。真っ暗闇の中にいる時には、外に広い世界があることなんて、思い出せません。
新しい価値の創造
完成されたと思ったものをぶち壊すこと、分解することは、痛みもあるし辛いこともあるかもしれません。が、それは新しい世界に飛び出し、今までの経験では得られなかった新しい価値が創造されるために必要な過程なのだと感じています。既製品のブロックを分解して組み立て直したり、誰かが設計したマニュアル通りに組み立てるのではなく、自分で構築したという経験に価値が生まれます。
いけばなをしていると、ふとした時に、「あぁ、あの時の経験はそういうことなのか」とずっしりとお腹に響くことがあります。頭で理解するより、じわっと心に効いてきます。
いけばなは、ふわふわ癒すだけではありません。破壊力も創造力も抜群です。
<2月のいけばな教室>
日時:2月14日(火)10時30分〜12時
場所: 大倉山花屋カフェ ラプティフルール (東横線 大倉山駅 徒歩1分)
参加費:3800円(花代、税込)
テーマ:バレンタインのいけばな
自分の心にじっくり向き合い、自分のハートを磨きましょう。
しなやかタフなハート担って良い出会いがありますように。
チョコレートのようなお花をご用意してお待ちしております。
お申し込み:こちらのお申し込みフォームの講座名に、「2月14日(火)いけばな入門」とご記入ください。または、 info@koushi-fworks.com(石塚)まで