物事の本質を知る

生涯学習センターの半年コース。

今期は、
「いけばなを習ってみたくて色々探して、今回初めてきました」という方や、

「いけばなサークルを運営していて、新しいお仲間を迎える時に基本をお伝えするために、もう一度自分たちも基礎の勉強にきました」という方も新しく来てくださいました。

 

みなさん、いろんな目的や関心を持って来てくださりありがとうございます。

 

お花が好き。新しいことを学んでみたい・・・自分のために習い始めたいけばなが、
続けているうちに、ご家族も興味を持って感想を言ってくれる様になったり、ご家族も一緒に習いに来てくださったり、と思いがけずに周りにも輪が広がっている様で、とても嬉しいです。来年度には、「作品発表会」をして、ぜひ、ご家族、お友達にも観ていただきましょうね!

「実家に母が使っていた器や剣山が見つかったので、使ってみます」という声もよく伺います。今まで眠っていたお道具がまた活躍できて嬉しいですね。お母様もきっとお喜びでしょう。

基本をしっかり身につけると

先日のお稽古でいけた、基本立真型。ツツジとカーネーションです。


草月流いけばなの基本型は、3本の線(主枝)と、それを引き立てる様に入れる従枝で構成されます。初めての方は、「ちょっとさみしいかな?」と感じられることも多いです。
この枝を作るために、枝や葉っぱを整理して使う。この時に、切ってしまうのを「かわいそう」とためらう方もいらっしゃいます。
確かに、はじめのうちは「なぜ、切る必要があるのか?」「なぜこの形なのか?」がわからないので、不安ですよね。
でも、花や枝をただ眺めるだけではなく、「しっかりと観る」ことで、枝葉の裏表や、蕾の形などを見極めることができます。また、しおれてしまった葉をとったり、水をしっかり吸わせてあげるお手入れをすることで、いけた時の美しさはもちろん、おうちに持ち帰ってからの持ちも断然良くなります。

草月流で、基本の形を学ぶのは、「綺麗な型」を覚えることが目的ではなく、「型を通して、自由ないけばな表現ができる技術と、空間の捉え方」を身につけるためです。

基本型を繰り返し学ぶうちに、枝の扱い方や、植物の性質を身につけます。その過程で、無心になって植物とやりとりをすることで、自分の心の中と向き合うことにもつながります。

そして何事も、最初のお手入れが肝心。最初の基本を大切にして、土台をしっかり作ること。その時に、「何でもかんでも、いっぺんに手をつける」のではなく、指導者なりテキストから「まず、何を一番大切にしたいのか?」をキャッチすることがだいじだと思います。

物事の本質に触れる・気づく

表面的になぞる、形を真似するだけではなく、物事の「本質」に触れながら、応用をしたりオリジナルを加えていくことで、その人ならではの「作品」や「成果」が実ります。

 

1回だけの体験ではここまでたどり着けませんが、継続していくことで、なん年後かに、ふと「わかる」こともあります。

 

忙しい現代人は、手軽に最短距離で、「失敗しない方法」「結果」や「答え」を求めがちですが、時にはお稽古事や学びを通して、本質を身につける時間も大事にしたいですね。

 

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